架空女子でごめんね
ひばりはすぐに戻って来た。
両手にマグカップを持っている。
「暑いし、冷たい飲み物のほうが欲しいかもだけど、温かい飲み物のほうが落ち着くかなって思って……」
マグカップを渡される。
とろりとしたホットミルクだった。
「はちみつ入りだよ」
ひばりはそう言って、「あちっ」と言いながら、ホットミルクをひと口飲んだ。
私もひと口、飲んでみる。
温かくて、優しい味がする。
「ひばりは優しいね」
思ったことを口にすると、
「えー、そんなことないけど……。お姉ちゃんだって優しいよ」
と、言ってくれた。
「私、全然優しくないんだ」
マグカップを両手で包み込むように持って。
私は小さな声で言った。
「……それに、嘘つきだよ」
ひばりは、
「何があったの?」
と、真剣な目になる。
「……ずっと前から片想いしてたんだ」
「うん」