架空女子でごめんね

私。

徹平くんにどんなふうに見られてたんだろう?



今さらだけど。

気になってしまう。



イタかった?

感じ悪かった?



……でも。



笑顔をくれたよね?

何度も。



隣にいてくれたよね?




「あ、あの、私……」



謝りたい。

もう、遅いかな?




「すずめちゃん」



徹平くんに呼ばれて。

私はビクッと固まった。



徹平くんの表情が。

とても悲しそうに見える。



悲しくて。

つらそう。




「……いいよ、もう」




「えっ?」



徹平くんはそのまま、私に背中を向けた。



「ま、待って……っ」



私は咄嗟に徹平くんの背中に声をかけた。

だけど。

徹平くんは。

構わずに歩き出した。



「待って、待って!」



まだ、話してない。

まだ、謝ってない。

伝えたいこと、たくさんあるのに。



全部。

全部、私のせいだ。



< 91 / 132 >

この作品をシェア

pagetop