架空女子でごめんね
C東高の校門前までやって来た。
(ここで待ってみよう)
こんなところまで来て、迷惑かな。
でも。
会いたいんだもん。
しばらく立っていると。
当たり前だけれど、ものすごく目立ってしまった。
通り過ぎる人みんなに、ジロジロ見られる。
「何、あの子」
「さぁ、知らない。恋人でも待ってるんじゃないの?」
「……恋人がいるようには、見えないけれど」
そんな会話が何度か聞こえた。
『美鳥』の時と。
津山すずめの時では。
聞こえてくる言葉が、全然違う。
「あれ?あの子……」
ふいに聞こえた声のほうを見ると。
そこには後藤くんが立っていた。
私をじっと見て、近寄って来る。
「ねぇ、何してるの?」
後藤くんと一緒にいた何人かの男子が、
「後藤の彼女?お前ってこういう子が好きなんだ?」
と、後藤くんをからかった。