神様、この恋をよろしくお願いします。
「あ!それよりも!どうしたの?何があったの!?」

そうだ、思い出した。

夜景がキレイだね♡って浸ってる場合じゃない、急に腕を掴まれ引っ張られてここまで来たんだった。

どこかの丘の上、外灯がチラホラ点いてる。

イマイチあたしにはここがどこなのかわかっていない。地理は苦手で今勉強中だから。

「さっきの誰なの?追いかけられてたよね?」

「さぁ、知らない」

「知らないって何!?何だったのあれ?」

「たまにあんだよ」

「ないよ!!!」

でも本当に相沢くんはわかってなさそうだった。あと気にしてもなさそうだった。

「夜歩いてるとあんだよ、あーゆうことが」

「…普通はないと思うけど」

キラキラの髪の毛は目立つし、青い瞳はインパクトがある。
相沢くんだからそんなことになるのかもしれないけど。

「相沢くん何してたの?」

「何もしてないけど」

「じゃあ家に帰らないの?」

何気なく聞いたつもりだった。

そこに深い意味なんかなくて、単純に疑問に思ったから聞いただけだったのに。


「嫌いだから」


たぶん聞いちゃいけなかった。



“…2時間目つーか、朝からいたけど”


体育館裏で聞いたことと重なったから。

「あの…っ」


プツンッ 


何か音が鳴ったかと思えば一気に暗くなった。

「え、なんで!?」

一瞬停電したのかと思った。
だけど、街の灯かりは変わらず光ってて暗くなったのはここだけだった。

「あ、10時になった」

相沢くんが冷静に答える。

「ここ10時になると電気が消えるんだよ」

いくつかあった外灯が全部消えた。

急に真っ暗になった丘の上、さっきまであんなにワクワクしていたのに突然やって来る暗闇のカーテン…っ

「不良のたまり場にならないように消えるようになってんだよ」

え、不良の相沢くんが言うの?それ!
てゆーかなんでそんなに落ち着いてるの!?

あ、慣れてるから!?
こんなのいつものことなの!?

でもあたしには慣れないことすぎて、変にドキドキが鳴り始めた。


—リリリリリリッ


「わっ!」

「いや、お前のスマホだろ」

おかしな着信音にするんじゃなかった、めちゃくちゃびっくりして声まで出ちゃった。

「お、お母さんだ!やば、待っててって言われたのに待ってなかったから怒ってる!」
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