神様、この恋をよろしくお願いします。
「小夏、いつの間に相沢と仲良くなったの?」

「え?」

教室の中に入るとナナに言われた第一声。

そんな相沢くんは自分の席であたしのことなんか興味なさそうに窓の外を眺めてる。その斜め後ろ、遠くからあたしが見てることなんて気付いていない。

「一緒に学校来てたじゃん」

「見てたんだ!でも校門のとこで会っただけだから一緒に来てたわけじゃないよ」

「でも仲良さそうだったよ?」

「見えただけじゃない?」

それは絶対そんなことない。普段相沢くんが誰かと喋ってるところを見たことないから、喋ってるだけで仲良く見られちゃうやつだ。
ヤンキーが捨て犬助けたら優しく見えちゃうのと同じだ。

「じゃあいじめられてた?」

「いじめられてないよ!」

「そう?ならいいけど…」

ナナがふぅっと息を吐いた。

本当に全然そんな感じでもないけど、心配してくてれるのかな。

「相沢は…ちょっとあれかなって、やばい奴らとなんかあるって噂だけど…聞くから」

それは、心当たりしかない…けど。もう2回も遭遇してるけど。

「あんまり関わらない方がいいよ」

あたしもそう思ってたはずなんだけどな。

その方がいいって思ってたはずなんだけど…仲良く見られてたならその方がいいなって思っちゃったんだよ。


仲良くなりたいんだ、相沢くんと。


こんなこと思ったらダメなのかな。

でも、そんな悪い人じゃない気がするんだもん。

「ありがと、ナナ。大丈夫だから!」
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