神様、この恋をよろしくお願いします。
とは言っても、あたしに一緒に橋を渡りたい人なんていないわけで。

「ぼっち橋か…」

その場合は神様はどんな気分で見てるのかな?

可哀想とか思われてるのかな…、別にいいけど。

すぐに橋を渡ったらナナたちにバレると思ってもう一度階段の方に戻ろうと思った。
だけどよく見れば、小島の外周に細い道ができていて歩けるようになっていたことに気が付いてそっちの方へ歩いて行ってみることにした。

テキトーにブラブラしてテキトーな時間に戻ればいっか、相手見付からなかった~とかなんとか言えばいいんだし。
とりあえず少しだけ時間が潰せればいいんだもん。

赴くままに進んだ細道は本当にただ小島を回れるようになっているだけで、たまに階段や山の中へ続く小道があるくらいでこのまま登れば神社に続いてるみたいだった。

…でもなんか怖いし、ここから登る気にはなれないなぁ。

「やめろよっ!」

突然山の中から聞こえた低い声に体がビクッてなった。

なんてゆーかこれは聞いたことがある声、たぶん声の主は…

「相沢くん…っ!?」

と委員長が覗いた小道の中にいた。  

眉間にしわを寄せて眉を吊り上げた相沢くんが委員長の腕を掴んでる。

薄暗い山の中、成績優秀で模範生徒の委員長を睨みつけながら抑え込んでる金髪の不良少年相沢くん…

それは嫌にでも想像しちゃって、思わず2人の間に飛び込んだ。

「それはダメっ!!!」
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