神様、この恋をよろしくお願いします。
なんて答えればいいのか悩んでるうちに、“もう時間だよ”ってせかされて急いで橋を渡ることになった。

ジンクスのあるあの橋を、相沢くんと委員長と3人で渡るなんて。

しかもなぜかあたしが真ん中で。

………。

3人で渡った場合どうなるんだろう? 

あ、でも好きな人と渡らないとジンクスの意味はないもんね?

だからこれはきっと無効なはず…だよね?

「今日いい天気でよかったよね」

「え、うん!そうだね!」

気を利かせてか委員長は変わらず笑顔で話しかけてくれた。

相沢くんは聞いてるんだか聞いてないんだかよくわからなかったけど、たまに返事をしていた。
へぇとか、ふーんとか、そんなのだったけど。

それでも相沢くんが誰かと会話を交わしてるのは珍しいから。
 
本当に仲良いんだろうなぁ。

そうこうしているうちにうちにあっという間に渡り切ってしまった。

お弁当タイムの場所になっている自然公園に向かうと、すでにお弁当を広げてる子たちがいて遠くの方にナナもいるのがわかった。
隣にいるのは天貴くん、きっと一緒に食べるよね。

だからあたしはぼっち飯覚悟だったんだけど…

「宝条さん、こっち空いてるよ」

ひらひらと手を振る委員長に呼ばれ、お邪魔してしまった。

ピクニックシートを広げ、委員長と相沢くんとあたし。

みんなで向き合うように輪になって、違和感ありまくりのお弁当タイムが始まった。
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