神様、この恋をよろしくお願いします。
「そーいえば宝条って、相沢と仲良いの?」

下駄箱に向かう途中、天貴くんが聞いて来た。その質問にナナの眉毛がピクッとなった。

「仲良いってわけじゃないよ、ちょっと話すぐらいでっ」

だから変に焦っちゃって、必死になって答えちゃった。

「水族館一緒にいたから仲良いのかと思った」

「え!?小夏、相沢といたの!?あっちゃんといたって言ってなかった!?」

カッとあたしを見る目はぐわんっと大きくなっている。

「私が1人にしちゃったから!?ごめんっ!」

「ううん、全然!それは全然いいの!」

てゆーかそのおかげでよかったこともあるっていうか、あたし的にはそれでよかったから…
それでもナナには本当のことを言えなくてあっちゃんといたって嘘を言っちゃってた。

「ごめんね、小夏…」

「本当に、それは全然いいから!気にしないでよ!」

あたしもそうだったけど、ナナは悠のことをよく思っていない。どうしても言いづらくて。

「あんまりいい話聞かないから、宝条も気を付けた方がいいよ」

「え?」

「やべぇ先輩とよく一緒にいるって聞くし、あの有名な3年の」

それはあたしも一度見たことがある、たぶん最初に悠と話した日、体育館裏で話しかけて来た怖いの先輩たちのこと。

誰でも知ってるぐらい悪い意味で有名な先輩たちだから。

「うん、そうだよね…」

それはあたしも不安事ではあるし。

先輩たちに目付けられてるのかな?

委員長も言ってたけど、悠目立つしなぁ。

変なことに巻き込まれたりしてないのかな…
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