神様、この恋をよろしくお願いします。
「絶対今のやばいくない!?」

「あの後どーなんのかな、想像するのもこえーな…」

ナナと天貴くんに挟まれ、早足で連れられるように歩いた。

ガッチリとナナに腕を絡められるように掴まれて、まるであたしが逃げないように見張ってるみたいだった。チラチラと学校の方を気にしながら歩くあたしに、キッと圧をかけるようなナナの視線がズバズバと刺さって来る。

「小夏…!絶対戻っちゃダメだよ!」

「…戻らないよっ」

戻っても何ができるかわからないし、きっと何もできない…

って思う。

でも戻った方がいいよね、だって何があるかわからないよねっ

「小夏、…相沢はやめときなよ」

少しだけあたしを掴む力が緩んだ。静かな小さな声で、さっきの力強さは全くなくなっていた。

「俺もそう思うよ、まだどうにかなるうちに止めておくのが正解だよ」

2人があたしのことを思って言ってくれてるのはわかる。

だけど、もう…

「…やめてよ、小夏が傷付くの見たくないよ」

「ナナ…、うん」

だけど、止められる気がしないよ。

もう戻れないよ。

「ありがとう、ナナも、天貴くんも!そんなつもりないから大丈夫だよ!」

またナナに嘘付いちゃった。


最近嘘ばっかりだな。


でも自分の気持ちに嘘付けないの。



悠のことが好きだって、もう気付いちゃったから。
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