神様、この恋をよろしくお願いします。
「…いつまでそうしてんの?」

「……。」

「小夏?」

「…っ」

ぎゅっとさらに抱きしめた。

あたしの震えが悠にも伝わっちゃったかもしれない。


だって怖かったんだよ?

いっぱいドキドキしてたんだよ?

すごいがんばったんだよ?

あたし…っ


「悠に何かあったらどうしようかと思った」

「…ねぇよ、何にも」

「不安でしょうがなかった…っ」

「……。」

ポロポロと涙が出る。

悠の胸の中で、悠を抱きしめながら。

「俺に構うなって言ったろ」

「嫌だ!構いたい!」

絶対寂しくないわけない。

寂しくないなんて思うわけない。


“悠は足りないものが多いから”


それならあたしがあげたいの。

悠の寂しさをあたしがそんなこと思う暇ないくらいいっぱいにしてあげたい。

「俺と関わってもロクなことないぞ」

「そんなことないもん」

おはようだけじゃ嫌なの、また明日って不透明な約束はいらないの。

だって明日も明後日もその次も会いたいから。

「あたし悠のことが好きだから…!」

「…。」

「好き…っ」

それ以外に理由がないの。

好きだから一緒にいたい。

それだけなの。

「俺なんかやめとけよ」

「悠がいい」

「知らないからな」

それでもいいもん。

こんなに誰かを想って涙が出ること初めてだもん。

「好きなの…っ」



ねぇ、神様見てますか?


あたしの恋はどうなりますか?


このまま信じちゃってもいいですか?


「小夏…っ」


名前を呼ばれて悠の顔を見た。


でも次の瞬間何も見えなくなって、唇に触れた。



初めてのキス。



あったかくて、柔らかい。


しあわせな気持ち。


全部が初めてで心が落ち着かない。




ねぇ神様、この恋が長く続きますように。




そう思って瞳を閉じたの。
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