神様、この恋をよろしくお願いします。
「小夏、掃除行こ!」

結局相沢くんは教室に戻って来なかった。
そのまま1日は過ぎて、掃除の時間になっていた。

「あたしたちって今週掃除どこだった?」

「今週は体育館の方かな、体育館前の中庭のとこ」

「あ、あそこね!先生あんまり来なくてラクなとこだね!」

今週は楽しく掃除ができそう!ってちょっとだけふわふわしながら掃除場所まで向かった。
きっと喋ってたらすぐ終わっちゃうなって、何を話そうかなって考えてたぐらい。

でもどうしても言いたいのは…

あのことぐらい。

「相沢って、本当にあのまま帰ったのかな?」

ほらね、ナナも気になってたみたい。あんなインパクトある帰り方をしたんだから気にならない方が逆に変だけど。

「帰ったんじゃないのかなぁ?だってあのあと1回も見てないもん」

「そうだよね、本郷先生に呼ばれてたけど絶対行ってないよね」

「そうだよね」

「てゆーかなんで来たの?って感じだけど」

滞在時間12分で帰って行ったのに、なんでわざわざ来たのか。

そっちの方が気になった。

だって12分だったら来なくてもよくない?
いや、来なきゃいけないんだけど、何しに来たのかなって…思っちゃう。

「うちらにはわからないね!」

そう、わからない。

あの青い瞳で何考えてるのか。

あたしは想像できないこと、考えてるのかなぁ。

あたしが今考えてるのなんて、今日の夕飯何だろうってことぐらいだし。
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