神様、この恋をよろしくお願いします。
「待ってたよーーー♡」

ひらひらと手を振りながら、にこにこ笑ってる。

あたしより少し背が高くて、よく見れば悠とすごく似てる。
お姉ちゃん…かな?若そうだし。

「なんだよ、待ってたって」

「悠何してるかなって、会いに来ちゃった♡」

悠とは正反対の性格してそう…
キャッキャした感じ悠にはないもんね。

「今日暇?このあとー…、ん?」

あたしの方を見た。

目が合った同じ青い瞳にドキッてなった。

それに、すごくキレイな人。

「えーーー、悠ついに?彼女出来たのーーー♡」

えっ

あたしが聞きにくかったことを一瞬で!?

そっか、そんな風に見えたのかな?
そうなのかな!?

悠はなんて答えるのかな…?

「こないだ大変だったんだけど」

めっちゃスルーじゃんっ

ドッドッてなる胸を押さえながら返事を待ってたのに、キリっと吊り上がった眉毛で眼力強めで女の人を見ていた。

「居場所教えろって追っかけ回されたんだけど!」

「あー、あいつでしょ。あれ修羅場だったから」

「散々追いかけられて、こいつにも迷惑かかったわ!」

「え?」

悠の人差し指があたしを指した。

ん?どーゆうこと?追いかけられて…
なんてことあったっけ?
あったような、そんなことも?
いつ…

「あっ!!!あの夜!!!」

塾が終わったあと、走って来る悠に腕掴まれて丘の上まで走ったっけ?

それかっ!

あと今のはあたしの説明だったの?
彼女ではなく、出会いからの。

「そうなの?ごめんね、大丈夫だった?」

「あ、はい…なんとか」

「名前は?なんて言うの?」

「宝条小夏…です」

「こなっちゃんね!」

にこっと笑った顔はあまり悠には似てないなぁって思った。悠あんまり笑わないしね。

「えっと…お姉さんですか?」

「あ、まだ言ってなかったね!」

隣で悠が息を吐いた。

それはどーゆう意味のタメ息だったの?

「悠の母親!でもお母さんって呼ばれるの好きじゃないから真菜って呼んでね!」


え、えぇぇーーーーーーーーーっ!!?


驚きすぎて目が飛び出るかと思った。

逆に驚きすぎて声は出なかった。

お母さんって…


いないって言ってなかった!!?
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