神様、この恋をよろしくお願いします。
お風呂出たら返事来てるかもとか、朝起きたら返事来てるかもとか、ずーっとずーーーっとドキドキしてたけど既読にもならなくて返事を確認する前に学校へ行く時間になった。

スマホの意味ない!

見てないのかな?

それとも昨日、何かあった…?

「おはよう、小夏!」

「ナナ、おはよ~」

「眠そうな顔してない?」

「あ、うん、ちょっと夜ふかししちゃって」

返事を待ち過ぎて実はちょっとだけ寝るのが遅くなっちゃった。

眠い目をこすりながら、下駄箱で会ったナナと一緒に教室まで向かう。

今なら悠の気持ちがわかるかも。
前日夜ふかししちゃった次の日はこんなに体がだるいんだ。

ふわっと思わずあくびが出た。

「宝条っ!!!」

後ろから聞こえた低音の効いた大声に途中であくびも止まった。

廊下中に地響きでも起きたんじゃないかってぐらい体が震えた。

おどおどしながら振り返った。

本当は振り返りたくもなかったけど。

「…本郷先生、おはようございます…っ」

腕を組んで仁王立ち姿の本郷先生がビンビンとした殺気を立てながらあたしを見てた。

こ、怖い…っ

何?なんで?あたしなんかしたっけ??

「なんだその生活態度は!もっと気を引き締めろ!」

「す、すみませんっ」

あくびをしただけでこんなに怒られてるの?
廊下の真ん中で注目の的になってしまって、恥ずかしいし怖いしどうしよう。

顔がどんどん赤くなっていっちゃう。

「そうやって学校を舐めてるのかっ」

また大きくなった声にビクッて体が震える。下ばっか見て何も言えない。

「小夏!!」

ナナがあたしの腕を引っ張った。

「今日日直だよね!?急いだ方がいいよ!本郷先生、失礼しますっ」

「おいっ、まだ話は終わってないぞ!!」

引っ張られるがまま、ナナの足元を見ながら走った。みんなの視線が怖くて俯くしかできなかったから。
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