神様、この恋をよろしくお願いします。
ポカポカと春の風が気持ちいい。

体育館前の中庭の掃除は芝生みたいになってるところを竹ぼうきでササーッと掃くこと、体育館周りの草取り、だいたいこの2つに分かれてる。

もちろんみんな簡単な竹ぼうきがいいんだけど…

「小夏、草取りね」

「嘘!やだ!」

「やだって、ジャンケンで負けたからじゃん」

「…だよね」

そして圧倒的に草取り派のが少ない。
大掃除じゃない限り、そんな真剣にやってないから。

「じゃあ小夏、がんばってね!」

「ナナ…!ナナも草取りにしよ!」

「え、普通に嫌」

「……。」

即答で断られた。

しかも真顔で。

1人…

あ、あと話したことないナントカくんも草取り班だけど話すこともないからつまりは1人で草取りだった。

一瞬の掃除の時間だもん、チャイム鳴るまでのちょっとの時間だし。

ナナたちが喋りながら竹ぼうきしてるのが楽しそうで羨ましいけど…!

見ないようにしよう、見ると寂しくなっちゃうから。

見えないとこで草取りしようかな。

そう思って少し離れたところに移動することにした。

えっと、こっちはー…
掃除範囲だったっけ?範囲だったよね?

体育館裏…って違ったかな?

だんだん自信はなくなってきたけど、掃除することに悪いことはないかと思って裏側まで来ちゃった。


そこでパチッと目が合った。


扉の前、少し階段になっているところで気だるそうに座っている相沢くんと。
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