神様、この恋をよろしくお願いします。
財布とスマホを持って、近くのコンビニまで歩いていけば5分ぐらい。

部屋着からちょっとだけ外へ出掛けられるような複に着替えて家を出た。

何買おうかな~、明日の分と2つ買おうかな~って、アイスのこと考えてるだけですぐ着いた。

今日はピノを買おう!

そう決めて、自動ドアの前に立った時ちょうどコンビニから人が出て来た。

邪魔になっちゃうと思って避けようとしたんだけど、その人と目が合ってついその場にとどまっちゃった。


「真菜さん…っ」


にこっとあたしを見て笑った。

だけどあたしはそんな気にはなれなくて。

「あ、こなっちゃん!」


その隣には知らない男の人がいたから。


え…なんで?

今日は悠と一緒じゃなかったの?

「こなっちゃん久しぶり~!元気?」

「あ、はいっ!元気、です…」

男の人に腕を絡ませて身を預けるように、どう見ても何か関係ありそうな雰囲気しかない。

真菜さんは初めて会った時と変わらず、あたしに話しかけてくれてるけど。

「誰?」

その隣の男の人はそうはいかなくて。
明らかに嫌悪感を放ちながらあたしの方を見た。

「まさか真菜の子供じゃないだろうな?」

今度はその嫌悪感を真菜さんに向けた。

ジロッと細めた目で、その言い方はすごく嫌だった。

だってその言い方は、まるでいらないものみたいに感じたから。

だってそんなの悠が聞いたら…

真菜さんだって嫌に思ったでしょ?

「そんなわけないじゃん!」

ケロッと大きな口を開けて笑いながら真菜さんが答えた。

「私子供なんかいないよ!」



………え?



嘘だと思いたかった。

今のは冗談だよってせめて聞きたかった。


なんでそんなことが言えるの?


あたしの顔が歪んじゃったから、それに気付いた真菜さんが男の人の腕を引っ張った。

「今日夜景見に行くの楽しみ~!」

「真菜、好きだよな」

「うん、大好き♡」

あたしの前から消えていった。

2人で仲良さそうに、弾んだ声を出しながら。

自動ドアが開いたままだ。

あたしが動かないから。
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