神様、この恋をよろしくお願いします。
考え事をしてる間に朝の会が終わっちゃった。
えっと、確か今日の1時間目はいっちゃんの理科の授業だ。
机の中から教科書とノート、筆箱を取り出した。今日は何の授業だろ、何をしても頭に入って来ない気がするけど。
チャイムが鳴れば1時間目が始まる。
「じゃあ授業始めるよ、教科書32ページを開いて。今日は化学反応について」
もう確実に頭に入って来ない気しかしない。化学反応って聞いただけで拒絶反応が出そうだもん。
「まずは元素について、これはこないだ少しやったよね」
筆箱からシャーペンを取り出して、授業を聞いてるっぽく見せる。
「人間の呼吸に必要なものは何だった?はい、宝条さん」
突然呼ばれてドキッとした。
まだちゃんと聞いててよかったと思いながら、ゆっくり立ち上がって答えた。
「えっと…酸素です」
「そうだね、人間にとって酸素は生きるためのエネルギー作りに必要だってことを前回習ったよね。じゃあその酸素はどこか得てるのか」
前回はマジメに受けてたから、覚えてたしセーフ。
もう当てられることもないからと、シャーペンを置いてまた考え事の世界に行こうとして引き戻された。
「それは“空気”です」
“空気みたいなもんだから”
そーいえば悠はそんな風に言ってた、お父さんのこと。
お父さんとはあまりいい関係じゃないんだろうなって思ってたけど、真菜さん…
お母さんとはどうなのかな?
お母さんはどんな存在なんだろう…
「空気は約8割が窒素、約2割が酸素で出来ていてみんなが暮らしてるどこにでもある気体のことをそう呼びます」
あたしから見たら真菜さんは…あんまりひどくは言いたくないけど、嫌だなぁって思っちゃった。
ずるいし、自分勝手だし、だけど悠にとってはお母さんなんだよね。
大切なお母さん…
でもあたしは、あたしはもう真菜さんのところには行ってほしくないの。
彼女でも何でないあたしのワガママなんて聞いてはくれないだろうけど。
でも、行ってほしくない…
「酸素がないと人間は呼吸が出来ない、空気がないと人間は生きられないんです」
えっと、確か今日の1時間目はいっちゃんの理科の授業だ。
机の中から教科書とノート、筆箱を取り出した。今日は何の授業だろ、何をしても頭に入って来ない気がするけど。
チャイムが鳴れば1時間目が始まる。
「じゃあ授業始めるよ、教科書32ページを開いて。今日は化学反応について」
もう確実に頭に入って来ない気しかしない。化学反応って聞いただけで拒絶反応が出そうだもん。
「まずは元素について、これはこないだ少しやったよね」
筆箱からシャーペンを取り出して、授業を聞いてるっぽく見せる。
「人間の呼吸に必要なものは何だった?はい、宝条さん」
突然呼ばれてドキッとした。
まだちゃんと聞いててよかったと思いながら、ゆっくり立ち上がって答えた。
「えっと…酸素です」
「そうだね、人間にとって酸素は生きるためのエネルギー作りに必要だってことを前回習ったよね。じゃあその酸素はどこか得てるのか」
前回はマジメに受けてたから、覚えてたしセーフ。
もう当てられることもないからと、シャーペンを置いてまた考え事の世界に行こうとして引き戻された。
「それは“空気”です」
“空気みたいなもんだから”
そーいえば悠はそんな風に言ってた、お父さんのこと。
お父さんとはあまりいい関係じゃないんだろうなって思ってたけど、真菜さん…
お母さんとはどうなのかな?
お母さんはどんな存在なんだろう…
「空気は約8割が窒素、約2割が酸素で出来ていてみんなが暮らしてるどこにでもある気体のことをそう呼びます」
あたしから見たら真菜さんは…あんまりひどくは言いたくないけど、嫌だなぁって思っちゃった。
ずるいし、自分勝手だし、だけど悠にとってはお母さんなんだよね。
大切なお母さん…
でもあたしは、あたしはもう真菜さんのところには行ってほしくないの。
彼女でも何でないあたしのワガママなんて聞いてはくれないだろうけど。
でも、行ってほしくない…
「酸素がないと人間は呼吸が出来ない、空気がないと人間は生きられないんです」