神様、この恋をよろしくお願いします。
「おい!おま…っ、なんだよ!?」

ここは学校と言えども、できるだけ遠くに、怖い先輩たちから逃げなきゃって、無我夢中で走っちゃって、気付いたら中庭まで通り越しちゃった。

「止まれって!あ~、えっと…っ」

宝条小夏だってば!

相沢くんあたしの名前覚えてないな!?

さっき自己紹介したばっかなのに!

「おいっ!」

「ぎゃっ」

華奢な腕をしていた相沢くんだけど、力はやっぱり男の子で反対にグッと引っ張られたらひっくり返そうになるぐらい強かった。

そこでやっと走ってた足が止まった。

「なんだよお前!」

「え、ごめん…っ。だってなんか心配でっ」

「なんで掃除なんかしなきゃいけねーんだよ!」

え、そっち!?てゆーか掃除はルールですけど!

掴んだ手を離せと言わんばかりのガンを飛ばす青色の瞳にハッと我に返った。

相沢くんの腕…、触っちゃった。

あわてて手を離したけど、急に手の行き所に迷って自分の手を握っちゃうぐらいドキドキしてた。

「相沢くん…っ」

「…っ」

フンッと鼻を鳴らして、あたしに背中を向けて歩いていく。

風でキラキラの髪がなびいてる、太陽の光りですごく眩しかった。

てゆーか、あたし…助けたつもりだったんですけどー!?
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