神様、この恋をよろしくお願いします。
—リリリリリリッ



あー、スマホが鳴ってる。

電話だ…

知らないうちに結構寝ちゃってたかも、薬が効いたのか少しだけ体がラクになってる。

がさごそと手を動かして枕元にあるスマホを探した。

あ、あった…

画面も見ずにスマホを耳に当てた。

今のスマホって便利だよね、耳に当てるだけで電話が取れちゃうんだもん。

「もしもし…?」

ナナかな、今日連絡してないし…

「お前が休みってどーゆうことだよ」

「!」

その声にビックリして飛び起きた。

「悠!?」

初めて悠から電話がかかってきた。

LINEだっていつもあたしからで絶対悠からは来たことなかったから。

「毎日会いに来いって言ったくせに今日いなかった」

「ごめんっ、風邪引いて!」

学校に行ってたんだ、案外あたしより全然丈夫なのかな。

「悠は風邪引いてない!?」

「めっちゃくちゃ風邪だわ」

あ、だっよねーーーー

さすがにそんなわけなかったか!

悠も、てゆーか悠の方が水に濡れたよね!?

「大丈夫!?熱は?薬とかつ」

「悪かった」

「え…?」

「それだけ言いたくて」

すごく静かな声だった。

悠の声は低くていつも落ち着てるけど。

「じゃあ、それだけだから」

「待って!」

声を聞いたら我慢できなくて。

「今どこにいるの!?」

着替えてすぐに家を出た。
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