神様、この恋をよろしくお願いします。
「もう外出て来ていいのかよ」
「うん!もう元気!いっぱい寝たから!」
前に来たことある公園まで来た。
木陰のベンチに座る悠の隣に一緒に座った。
「今ちょうどお母さんいなくてね、こっそり出て来た!」
「それで怒られても知らねーからな」
「てゆーか悠は!?大丈夫なの!?」
「もう平気、俺も散々寝たから保健室で」
なるほど、その選択肢もあったか。
でも悠ならその方がいいかもしれない、家にいたくなさそうだもんね。
「ねぇ!今度一緒に水族館行かない?」
「は?突然なんだよ…つーか行っただろ、前に」
「あれは遠足じゃん!そうじゃなくて、今度は2人で!」
「…いいけど」
「それでシャチ見ようよ!悠好きでしょ?LINEのID、orcaってシャチのことだったんだね!調べちゃった!」
悠が悲しそうな顔をして笑った。
励まそうと思って言ったのに、なぜか青い瞳が寂し気にあたしを見てた。
だけど、すぐに正面を見て少し俯いた。
「悠?」
「…シャチって、群れの多くは母親を中心に血の繋がった家族のみで構成されてんの。だからオスは通常一生同じ群れで過ごすんだってさ」
「……。」
"でもそれをしない理由が悠にはあるんだよ"
「大嫌いだったけど、好きだった」
悠が空を見上げた。
今日は雲ひとつない青空で昨日の土砂降りが嘘みたい。
「父親は全然俺に興味がないし、だけど…都合いい時だけでも呼んでくれたから、それが嬉しかった」
そんな風に思ってたんだ。
本当は大好きだったんだね、真菜さんのこと。
お母さんだもんね、あたりまえだよね。
あたしもお母さんのこと、大好きだもん。
なんて言ったらいいかわからなくて悠の手の上に重ねるように手を置いた。
でもそんなの慣れてなくて、あたしの手の方が震えちゃってた。
そっと悠が握り返した。
ドキドキして見られなかった。
悠の顔も、握り返した手も。
ずっと黙ったまま、手を繋いでた。
いつもは冷たい悠の手が温かくて、それはきっと熱のせいかなって思ってた。
父さんの代わりも、お母さんの代わりも、あたしにはできないけど、それでもこの気持ちは変わらない。
あたしは悠のことが好きだよ。
悠がいてくれたらそれでいいよ。
「明日は絶対学校行くから、悠も来てね!」
「うん!もう元気!いっぱい寝たから!」
前に来たことある公園まで来た。
木陰のベンチに座る悠の隣に一緒に座った。
「今ちょうどお母さんいなくてね、こっそり出て来た!」
「それで怒られても知らねーからな」
「てゆーか悠は!?大丈夫なの!?」
「もう平気、俺も散々寝たから保健室で」
なるほど、その選択肢もあったか。
でも悠ならその方がいいかもしれない、家にいたくなさそうだもんね。
「ねぇ!今度一緒に水族館行かない?」
「は?突然なんだよ…つーか行っただろ、前に」
「あれは遠足じゃん!そうじゃなくて、今度は2人で!」
「…いいけど」
「それでシャチ見ようよ!悠好きでしょ?LINEのID、orcaってシャチのことだったんだね!調べちゃった!」
悠が悲しそうな顔をして笑った。
励まそうと思って言ったのに、なぜか青い瞳が寂し気にあたしを見てた。
だけど、すぐに正面を見て少し俯いた。
「悠?」
「…シャチって、群れの多くは母親を中心に血の繋がった家族のみで構成されてんの。だからオスは通常一生同じ群れで過ごすんだってさ」
「……。」
"でもそれをしない理由が悠にはあるんだよ"
「大嫌いだったけど、好きだった」
悠が空を見上げた。
今日は雲ひとつない青空で昨日の土砂降りが嘘みたい。
「父親は全然俺に興味がないし、だけど…都合いい時だけでも呼んでくれたから、それが嬉しかった」
そんな風に思ってたんだ。
本当は大好きだったんだね、真菜さんのこと。
お母さんだもんね、あたりまえだよね。
あたしもお母さんのこと、大好きだもん。
なんて言ったらいいかわからなくて悠の手の上に重ねるように手を置いた。
でもそんなの慣れてなくて、あたしの手の方が震えちゃってた。
そっと悠が握り返した。
ドキドキして見られなかった。
悠の顔も、握り返した手も。
ずっと黙ったまま、手を繋いでた。
いつもは冷たい悠の手が温かくて、それはきっと熱のせいかなって思ってた。
父さんの代わりも、お母さんの代わりも、あたしにはできないけど、それでもこの気持ちは変わらない。
あたしは悠のことが好きだよ。
悠がいてくれたらそれでいいよ。
「明日は絶対学校行くから、悠も来てね!」