神様、この恋をよろしくお願いします。
次の日は少しだけ早く学校へ向かった。

すっかり元気になった体はいつもより軽くて、出来ない口笛でも吹いちゃおうかなって思うぐらい気分がよかった。

早く悠に会いたいな。

校門から下駄箱までは走って向かった。

特に意味なんかないけど、そうしたい気分だったから。

「宝条さん!」

「あ、委員長おはよ~!」

るんるんで上履きに履き替えるあたしに猪突猛進で委員長が走って来た。

え、何?どうしたの!?

「今ちょっと大変なんだけどっ」 

「何かあったの?」

こんな取り乱した委員長見たことない。ハァハァ言いながら、肩で息をしてる。

「今、今ね…っ」

「う、うん」

何を言われるのかあたしまでドキドキして来ちゃった。

「悠が本郷先生に呼ばれてっ」

「えっ、なんで!?」

って聞いたけど、だいたいなんで呼ばれるかはわかってる。よく呼び出しはされてた。行ってなかったけど。

だからこの“なんで!?”はどちらかと言えば“なんでわざわざ行ったの!?”って言う方が正解かもしれない。

でもそんなことよりも驚いたのが委員長の次の言葉。

「悠のお父さんも来てるんだ!」

「えっ、お父さん!?」

悠のお父さん!?

あのお父さん…!?

自分には興味がないって言ってたお父さんが…

本郷先生に呼ばれたのかな?
なんで、どの話!?

ありすぎてわからない!

「だから今から進路指導室に行こうと思うんだけど、宝条さんも一緒に行かない?」

「行くっ!!!」

委員長が言い終わるか終わらないかのうちに即答えた。

リュックを背負ったまま、全速力で進路指導室まで委員長と走って向かった。
< 93 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop