夫の一番にはなれない



「長野、常盤。まずは奈那子先生じゃなくて、俺に報告だろ?」

「えー!じゃあ、そのあとに奈那子ちゃんのところに報告しに来るー」

「行かんでよろしい」

「えー!滝川っちずるーい!家でも奈那子ちゃんひとり占めなのに、学校でも独占するなんて」

「独占してねーよ」


來は男子2人の腕をつかんで、保健室から強制退場させていた。


一見、來は気難しそうに見えるけれど、特にやんちゃな男子生徒から人気がある。

その生徒たちのことを決して見捨てることがないからだろうけれど。

まるで友達のように休み時間も話をしている姿をよく見かける。



「奈那子先生愛されてるね?滝川先生ってね、いつも男子から奈那子先生守ってるんだよ」

「え?滝川先生が?」

「うん。奈那子先生って男子から人気あるからね。奈那子先生の下ネタまがいのことを言っている男子がいたら、すぐに捕まえて注意してるよ」

「そうだったの……」




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