夫の一番にはなれない
第4章 夫の変化
あと3ヶ月で、わたしたちの夫婦生活が終了しようとしていた。
でも、わたしはあと3ヶ月で終わらせたくはなかった。
來のことは普通に好きだったし。
出会って、結婚して、来のことをいろいろ知った。
真面目なところも、優しいところも、不器用なところも、生徒に人気があるところも。
来とこれからも一緒にいたいと思う。
これが恋愛感情としてなのかは分からない。
でも、わたしは來に提案しようと思っている。
「これからも夫婦でいませんか?」と――
離婚間際になってわたしの気持ちに変化があったように、来にも変化が見られるようになった。
ここ最近はわたしに話しかける頻度が増えた気がする。
今朝も「おはよう」と「行ってきます」だけじゃなくて……
「デザートのプリン買っておいたから、帰ってきたら食べなよ」とか
「今日は今度やる練習試合のミーティングをやるから帰りが遅くなる」とか
今まで話さなかったようなことを話題に出すようになった。
それだけじゃない。
しかもふいに「今度の土日のどっちかで食事に行かない?」とお誘いがあったのだ。