○○が消えた日

時は戻り…。
今私は、いつの間にか日常となった、休日は何処かにいるかも分からないあなたを探す。無意識にしてしまうの。
今日もあなたを探している。
やっと見つけた。あなたがそこに居た。駆け出し、あなたを呼ぶ。
あなたは振り向いた。そして、「どちら様でしょうか。何故俺の名前をご存知で？」
時が止まる。どういうこと？理解が追いつかない。
「○○君？どうしたの？知り合い？」
その子は誰？
「いや。知らない人なんだ。」
どういうこと。そんなに怒らせてしまったの？
「あの…もしかして○○君のお知り合いですか？実は彼…一部分だけ記憶喪失になってしまってるんです。」
その子が困った表情をしながらそう言う。
私は忘れられてもいい存在だったのか…。そう思うと同時に駆け出していた。
「どうして…どうしてなの？」
あぁ。涙が一雫流れるだけ。
この時、何かが私の中で終わってしまった様な、消えてしまったような気がする。
どうしてかな。笑ってしまうの。
その時以降、悲しくなると笑みが零れるようになってしまった。

そういえば…最後に『本当の笑顔』を浮かべたのはいつだったかな。