身ごもり婚約破棄したはずが、パパになった敏腕副社長に溺愛されました
どこを弄ると反応がいいのか、私の性感帯を確かめるように愛撫され、恥ずかしいのに快感を抑えられない。これから繋がろうとしている部分は、彼の指を何本も飲み込んでしまうくらいとろとろに溶かされていた。
乱れた呼吸を整えながら、引き締まった嘉月さんの逞しい身体を恍惚と眺める。ひとつになる準備を手際よく整えた彼は、その直前に思い出したように問いかける。
「今更だけど、初めて?」
「ううん、何年か前に一度……。でも」
十九歳頃に付き合っていて自然消滅した元カレとも行為はしたが、よく思い出せないくらい嘉月さんと肌を重ねるのは心地いい。
「こんなに気持ちよくて、幸せなのは、初めて」
恥ずかしさで一杯になりつつ、口元を手の甲で隠して正直に答えた。
その瞬間、嘉月さんの頬がうっすら赤く染まる。顔を逸らして「可愛すぎるだろ……」と呟くので、私の胸もキュンとした。
ときめいていたのもつかの間、彼はすぐに猛々しい雄の表情に戻り、「挿れるよ」と声をかけてゆっくり自身を沈めていく。
「ん、あぁ……っ!」
信じられないくらい、私の中は彼を拒まなかった。パズルのピースみたいに、ぴったり嵌まる感覚を覚える。
私の中に、嘉月さんがいる。愛しい彼の形を、熱を、このままずっと感じていたい。