身ごもり婚約破棄したはずが、パパになった敏腕副社長に溺愛されました
「あなた、浮気していたの?」
冷ややかな声が投げかけられ、私は慌てて完全に否定する。
「違います! 彼は……単なる知り合いで、この時は偶然会っただけです」
「ただの知り合いがこんな場所へ行くかしら」
画面をスクロールされると、私が朝陽くんと産婦人科へ向かう姿を捉えた画像に変わり、息を呑んだ。
うそ……一体誰がこんな写真を? これではお母様が誤解するのも無理はない。
それに、朝陽くんのことをどう説明したらいいのだろう。嘉月さんも絶対に会うなと言われてきた元旦那様の息子なのだから、正直に話していいかわからない。
画像を見た伯父様は驚き、「都さん、これは……」と困惑している。私も混乱状態で考えを巡らせている間に、お母様の表情はどんどん険しくなっていく。
「私ね、決まった相手以外と親密にするような人は、絶対に許せないし信頼もできないの。しかも、よりによってこの子とだなんて……見逃せるわけないじゃない」
怒りや嫌悪感を露わにした声で呟かれてはっとした。
お母様、朝陽くんの顔を知っているんだ。だとしたら、憎しみを抱いている一家の息子と接していた私をますます許せはしないだろう。