【奏】きみにとどけ
「はぁ~」
思わず漏れたため息。
「いいのか?」
カズトの心配そうな顔。
だから、俺は無理に口角を上げた。
「仕方ねぇだろ?」
何も言わないカズトの代わりに
今度は恩田に言われる。
「でも、椎野君
まだ気持ち伝えてないよね?」
「ん?
あぁ…でも
行くなって言ったのは
たぶん聞こえたみたいだから
それでも、野々瀬は
あいつを選んだって事だろ?」
「でも」
「もういいんだよ」
自分でも驚くぐらい
静かで低い声が出た。
「ごめん
ありがとうな」
俺が向ける笑顔に
カズトと恩田が戸惑っている。
俺…たぶん、
普通に野々瀬を見る…
――自信ねぇな…。
無理だ。
カズトにも恩田にも気を使わせてしまう。
「俺、今日パスするわ
先、帰るな」
「えっ?!
おい、望?!」
カズトの問いかけに
返事代わりに
肩に軽く手を乗せ
教室を出た。
言わずして失恋か…。
最後まで情けねぇな、俺。
まぁ、野々瀬が笑ってるならいいか。
思わず漏れたため息。
「いいのか?」
カズトの心配そうな顔。
だから、俺は無理に口角を上げた。
「仕方ねぇだろ?」
何も言わないカズトの代わりに
今度は恩田に言われる。
「でも、椎野君
まだ気持ち伝えてないよね?」
「ん?
あぁ…でも
行くなって言ったのは
たぶん聞こえたみたいだから
それでも、野々瀬は
あいつを選んだって事だろ?」
「でも」
「もういいんだよ」
自分でも驚くぐらい
静かで低い声が出た。
「ごめん
ありがとうな」
俺が向ける笑顔に
カズトと恩田が戸惑っている。
俺…たぶん、
普通に野々瀬を見る…
――自信ねぇな…。
無理だ。
カズトにも恩田にも気を使わせてしまう。
「俺、今日パスするわ
先、帰るな」
「えっ?!
おい、望?!」
カズトの問いかけに
返事代わりに
肩に軽く手を乗せ
教室を出た。
言わずして失恋か…。
最後まで情けねぇな、俺。
まぁ、野々瀬が笑ってるならいいか。