兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
「優莉ー」
少しずつ音の大きくなる目覚まし時計のように、声が大きくなる。
「優莉ー入学式、遅刻するぞ。」
布団をはがされて私は体を小さく丸める。

朝がたまで眠れなかった私は眠りからなかなか覚めない。

「ほらっ」
蓮人に無理やり体を起こされて、私は寝ぐせ頭のまま、「んー・・」とうなる。

「優莉!蓮人!遅刻するわよー!」
いつものように母が私たちのために手作りの朝食を用意してくれているのだろう。
いいにおいがする。

「・・・眠い・・・」
「ほら。今日は本当に遅刻できないんだから。」
蓮人は今日は強硬手段に手段に出るらしい。
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