兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
そのまま校舎の裏に引っ張られた私は周囲から完全にしきられている場所に入り、窮地に立たされた。

「ずっと好きで、ずっと見てた。本当に好きで、好きすぎて何も手につかないから責任とって?」
学生は私の手をつかんだまま、私の方を見て早口に言葉を続ける。

私が抵抗すればするほど焦ったように早口で距離をつめ、握る手に力を込める。

「・・・」
今拒絶したら何をするかわからない。
相手の目と息遣いに察した私はうつむきながら握られたままの自分の手を見る。

「返事は?」
学生は私のあごをグイっとつかんで上を向かせると、険しい表情で私を見てくる。
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