兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
私だけが納得できなくて、食い下がる。
「父さんも言ってるだろ?社会の経験しておかないと。」
「どこでバイトするの?」
「駅前の居酒屋。実はもう面接受けたんだ。」
「え!?お父さん、お母さん知ってたの?」
両親の反応に知らなかったのは自分だけだったことを知った私は頬を膨らませながら箸を置く。

「優莉ちゃんとご飯食べなさい。」
「・・・」
「優莉。」
両親が私に視線を向けても私はお構いなしで、頬を膨らませたままにする。
「じゃあ、私もバイトする。」
「優莉はダメ。」
真っ先に母が言う。
「優莉はダメ。女の子はいいんだよ。心配だからダメ。」
父まで。
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