兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
「元気ないじゃん。」
修平はそう言っていつも以上に私のそばから離れずにいてくれる。
私の好きなオレンジジュースを買ってくれたり、プリンを買ってくれたりと気を遣わせてしまったことに申し訳なく思いながらも、どうしても気持ちを切り替えることができなかった。

「兄妹喧嘩か?」
修平の言葉があまりにも図星過ぎて、私は黙る。
「なんだよ。早く仲直りしろよ?たとえ兄妹でもこじれたら大変だからな。」
「・・・私は悪くないもん。」
ふてくされて頬を膨らませていると修平は私の頬をつまんできた。

「かわいすぎんだろ。ブルドックみたい。」
「ひどすぎ!」
思わず顔を上げる私に修平が笑いかける。

今日一日最低な気分だったのに、どうにか気持ちを保つことができていたのは修平のおかげだ。
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