兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
朝食をとらないまま、私は逃げるように玄関からでて駅までの道のりを歩く。

「優莉」
途中で名前を呼ばれて振り返るとそこには修平がいた。
「おはよう」
昨日の気まずさが残る私とは裏腹に、修平はいつものように微笑みながら近づいてくる。
「おはよう」
私がうつむくと修平は当たり前のように私の隣を歩く。
車道側を歩いてまるで私を守るように・・・。

「・・・」
ずたずたの心の私はそんな修平の行動だけでも、蓮人と歩いていた時のことを思い出して泣きそうになる。

急に視界が揺れ始めて、涙が溢れそうになる。
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