兄妹 ～禁断の恋が動き出す運命の一夜～

「・・・っ・・・」
額に痛みを感じて、思わず触れようと手を伸ばすとすかさず大きな手に阻まれる。

「怪我しちゃったのよ。倒れた時。5針も縫ったんだから。触ったらだめ。」
母が私に言った言葉をしっかりと認識できて、私は意識を取り戻した。

握られている手に少し視線を向けてから、その手は誰の手なのかをしろうと視線を移すと、そこには私の手を握る蓮人がいた。

心配そうな顔をして、私を見つめている。

「やっぱり仕事を休んでそばについてればよかった。」
父が後悔している横で、母は心配そうに私を見つめている。

「熱が下がらないから、しばらく入院ね。」
「・・・え・・・」
「大学生になってから入院してなかったのが奇跡だって言われるくらい、肝機能の状態が悪いのよ。もしかしたら肝臓摘出になるところだったのよ？」
母は母心配そうな顔から厳しい表情になる。