兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
「当分は入院しておとなしくしてないと。」
「そうだな。頑張りすぎたんだな。優莉は。がんばりやだから。」
両親が顔を見合わせて話をしていても、私は心穏やかじゃない。

今までの努力が無駄になる。

病気という大きなレッテルに負けないようにと努力をしていたのに、結局負けている自分と、その現実に嫌気がさす。

「ひとまず、しばらく入院だから、意識も戻ったことだし。父さんといろいろ必要なもの用意して持ってくるから。蓮人、居てよ?」
「あぁ。」
両親はばたばたと、病室を出ていく。

病室に残されたのは蓮人と私。
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