兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
「優莉」
優しく私を呼ぶ蓮人の声。

まだ蓮人は私の手を握っている。

「痛むか?」
私の髪を撫でるようにしながら額を確認する蓮人。
「ごめんな。そばに居ればよかった。」
まるで自分がケガしたかのように、痛そうな顔。

「どうして蓮人が痛そうなのよ・・」
思わず出た言葉。

私は蓮人の方から顔をそむける。

それは流れ出てしまった涙が蓮人から見えないようにしたからったからだ。
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