兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
蓮人はほとんど何も言わないまま、あの頃のように私の入院生活に付き添いはじめた。

朝から夜まで面会時間目いっぱい私の病室で過ごす蓮人。

私が薬の副作用で体調が悪い時も、慣れた態度で背中をさすったり、少しでも食べられるようにと私の好みの食べ物を売店で買ってきてくれたり・・・。

私がいつまでも夕方になってもシャワーを浴びないと、私の手をひいて無理やりシャワー室に送られて、シャワーあがりの私の髪を乾かす。

朝食・昼食・夕食の食事の面倒まで、お母さんのお弁当を用意してくれたり、いちをと用意されている病院食の配膳下膳してくれている・・・。

正直、新しい薬を試し始めた私には蓮人に対する意識をしたり、あれこれと考える思考の余裕はなくて、なすがままにされているというのが現実だった。
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