兄妹 ～禁断の恋が動き出す運命の一夜～

もう離れない

力尽きて倒れこむように、玄関の扉を開けて床に座り込む。

明らかに体調がおかしい。

これはつわりだけではないと確信している。

妊娠が分かって受診した、昔から通っている病院では妊娠の継続は無理だと言われた。

今後肝機能の数値が悪化すれば、流産もあり得ること。
無事に子供を出産できたとしても何らかの母体への支障があること。

いつも服薬している薬も、妊娠中はのむことができない薬。
私は妊娠が分かってすぐに服薬を自分で止めた。

今まで、ずっと飲み続けて来た薬をやめることに恐怖を感じたけれど、それ以上に自分が口にするもの、触れるもの、すべてが赤ちゃんに通じていると思ったら、そのほうが恐怖だった。