兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
「優莉っ?」
玄関の扉の向こうから余裕のない蓮人の声がする。
決して家賃の高くはないマンション。
携帯のバイブが床で反響していることに気づいたのだろう。

部屋の明かりもつける余裕がないまま、床に横になっている私。

蓮人はこういう時、本当の血のつながりがないのに昔からわかってしまう。

蓮人が玄関の扉をたたく。
「優莉っ?開けるぞ?」
私ははっとする。

そうだ。
蓮人は私の部屋の鍵を持っている。

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