兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
修平が進路をいつの間にか決めていたことに、私は素直にうれしさを感じる。
『優莉とはもう、会えないかもしれない。でも、しばらくは優莉を俺は思い続けてると思うから、いつか、俺に会いたくなったらいつだって連絡してくれよ?声が聞きたくなったら電話くれ。きっと俺、それだけでうれしくてなんだって頑張れる気がするからさ。』
修平らしいとふと笑う私。

一番つらい時に修平に助けてもらった。
そばに居て支えてくれた。

『まずは自分の体とちゃんと向き合って、どうか元気になってくれ。そんで、いろいろしんどいこととかつらいことあると思うけど、優莉らしく立ち向かって、乗り越えろよ?俺、優莉に一目ぼれだったんだ。その凛とした姿勢に、だらしなかった俺は、ちゃんとしよう、ちゃんとしたいって初めて守りたいものができた。それが優莉だ。優莉に出会えて俺は変われた。本当にありがとう。』
いつの間にか流れていた涙をそっと拭う。
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