兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
「どこか痛むか?」
蓮人が私の髪を撫でる。

首を横に振りながら私は蓮人に何も言えないまま、流れる涙を拭うこともできないままでいる。

「優莉」
「・・・」
名前を呼ばれて蓮人の方を見る。
その目を見ることが怖い。
この言葉の続きを聞くのが怖い。

「結婚しよう」
「・・・」
「そばにいたい。離れたくない。一緒にいたい。この想いは昔から変わらない。変えられないんだ。」
まっすぐな蓮人の目。
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