兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
「優莉が妹じゃないってわかる前から、俺はずっと優莉が特別だった。妹として見られなかった。」
蓮人が私の手を握る。
「諦められなかった。何度も何度も兄妹に戻ろうって思っても。想いを止めようとしてもできなかった。」
必死な顔が、蓮人の想いの強さと大きさを思い知らせる。

蓮人は私が妹ではないと、高校生の時に知ったらしい。
卒業前に、私が入院した時、偶然両親の会話を聞いてすべてを知ったらしい。
蓮人はすぐに両親に事実を教えてほしいと直談判して事実を聞いた。

私が蓮人からその話を聞いたのは両親が亡くなってから1週間がたった時だ。

仲良し4人組だった両親と、リビングに写真が飾られていた両親の友人。
同じ時期に結婚をして、一緒に新婚旅行まで行った4人。
子どもができて同級生だねと喜びあっていた4人。
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