兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
警察からの聴衆のあと、蓮人は何も教えてくれなかった。
ただそばにいて、ただ、両親をおくるためにいろいろと手配をしてくれた。

何も手につかない状態だった私に代わり、自分と私の荷物を用意して実家に運び、そこで片付けや葬儀の手配をしてくれた蓮人。
私は何も考えられる状態になくて、すべて蓮人に任せきりにしてしまった。

「優莉。これからのこと、ちゃんと話そう。」
蓮人がこう切り出したのは両親が亡くなってから1週間がたってからだった。

亡くなってからあれこれ手続きをするとき、私は改めて自分の戸籍を見た。
養女・・・。
事実を受け入れなければならないと思いながらも、受け止めきれない私。
蓮人は、自分は高校を卒業する前に、その事実を知っていたと告げた。
< 281 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop