兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
すぐに受け止められるような器は私にはなくて、私は蓮人にすがるように手をまわした。

言葉にならない感情も。
もう止められない想いも。
大きな絶望や、大きな悲しみ、痛み。

すべてを蓮人にぶつけた。

蓮人は私を抱きしめて、消えないようにしてくれた。
繋ぎとめるように、想いにこたえるように、自分の想いもぶつけるように。

私を抱いた。

あの夜、蓮人が私を抱いてくれなかったら、今ごろ私は本当に壊れていたと思う。
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