兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
厳しすぎる言葉の背景にはそれだけのリスクがあること。
深刻な状態だということもわかる。

医師は厳しい言葉の後に、翌日に退院をして、数日間よく考えるように言った。
それは、妊娠を継続するか中絶するか命の選択をするようにと言う、最後通告のようなものだと、私も蓮人も理解していた。

「・・・私・・・」
「ん?」
医師のいなくなった部屋。
私は蓮人の方を見る。

蓮人は考え込むように、ベッドの隣の椅子に座り頭を抱えていた。

私の言葉に顔を上げた蓮人。
まっすぐに優しい瞳で私を見つめる。
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