兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
「優莉、落ち着け。わかったから。優莉の気持ちはわかったから。」
「お願い・・・お願い・・・・」
私は何度も何度も蓮人の胸の中で蓮人に懇願した。

蓮人は私を抱きしめ返しながら、背中をさすり、「わかった」と繰り返した。

でも、産んでいいとも、産んでほしいとも言わない。

蓮人はまだ悩んでいる。

もしも蓮人がこの子を選ばない選択をするのなら、私は蓮人の前から姿を消して一人で産む。

蓮人のぬくもりのなかで私はそう決心を固めた。
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