兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
「優莉」
余裕がなくて扉が開いたままだったトイレに蓮人が入ってきた。
何も躊躇ない。

昔、病気で体調が悪い時もこうして介抱してもらったから、蓮人にとってはあたりまえのことなのかもしれない。

「しんどいな。水、持ってくるか?」
蓮人に背中をさすられた瞬間、驚くほど体の痛みがひいていく。
私は首を横に振る。
「口・・・すすぎたい・・・」
それだけで気分がすっきりするかもしれないと、私が立ち上がろうとすると蓮人が強い力で支えてくれる。
「ゆっくりな」
蓮人の言葉に頷きながら、浴室にある洗面台で口をすすぐ私。
蓮人は私の髪が濡れないように、髪を抑えてくれる。
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