兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
「おいで」
そう言って、私の頭を少し上げると、自分の腕に私の頭を乗せる。
ぐいっと引き寄せられて私は蓮人にぴったりと近づく。

「きれい」
「だろ?」
私たちが見上げる天井には無数の星。
蓮人が仕事から帰って、私の部屋に暗闇でひかる星のモチーフをたくさんつけてくれていたらしい。

「優莉」
「ん?」
「俺、決めた。」
「ん?」
「今日、仕事に行くまでは考えても考えても答えが出せなかったんだ。」
蓮人の方を見ると、天井を見上げたまま話していた。
その顔に、星のモチーフがかすかに放つ光が反射している。
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