兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
「考えようとするたびに、自分のこと責めることしかできなかった。優莉にしんどい思いさせて全然俺、わかってなくてさ。今まで一緒にいたのに、俺何してたんだって。何を見て来たんだって。兄妹だからって、そこに甘えて、驕ってたことに気づいたら恥ずかしくなった。」
「蓮人」
「どんどん、優莉がかわいくなってさ。同じくらいだったのに、手の大きさも、背も、俺と差ができていくたびに、守りたいって想いから愛おしさに変わっていった。誰にも渡したくないって独占欲に気が狂いそうになったり、全部を知っていたい。離れたくないって、すごいわがままになったりした。」
ふと蓮人が私の方を見る。

自分の手を天井にひかる星の方に向ける蓮人。
私は、蓮人の手の方に自分の手を伸ばす。

ふっと微笑んでから蓮人が私の手に自分の手を重ねる。
大きな蓮人の手には私の手がすっぽりと包まれて隠れる。
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