兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
「たとえ、本当に血がつながってても、俺は優莉が好きになっただろうな。」
「・・・蓮人・・」
「許されない想いだろうと、どんなに消そうと思っても消えなかった。優莉への想い。」
「・・・」
蓮人がふと私の方を見る。
星に伸ばしていた私の手を強く握り、私を見つめる蓮人。

「これでもあきらめよう、忘れようって努力したんだぞ?」
「・・・」
急に離れてしまった距離。
その距離には蓮人の葛藤があったことを私は改めて知る。

「優莉」
「・・・」
まっすぐに伝わる蓮人の想いに、私の瞳から涙が溢れる。
< 312 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop