兄妹 ～禁断の恋が動き出す運命の一夜～

「あー・・・びっくりした・・」
私の言葉に「こっちがびっくりだわ！」と家族全員から突っ込まれる。

「どこも痛くないか？」
一番冷静な蓮人が私が頭をぶつけていないか確認してくる。
「どうする？救急車呼ぶ？」
母は心配そうに父に確認していた。

「平気。クラっときただけ。」
私が体を起こそうとすると両親も蓮人も支えてくれる。
「本当に平気か？」
「うん」
まだ心配そうな３人に平気な振りをする。
「髪、乾かして？お兄ちゃん」
私は蓮人のことをお兄ちゃんとも蓮人とも呼ぶ。昔から甘えたりお願い事があるとお兄ちゃんと呼ぶことは家族全員知っていた。
「とりあえず椅子持ってくるから座れ」
そう言って蓮人は椅子を出してくれた。

「お母さん仕事休むから、病院行こう？」
まだ心配そうな母に、大丈夫と笑って見せる。
「顔色悪いな」
父も私の顔を伺う。