兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
「明日休みだし、明日行く。」
絶対に病院には今日は行かないという意気込みを伝えるとしぶしぶ両親も納得してくれた。
「母さんはご飯の支度して。父さん、今日も送ってくれる?」
椅子をセットした蓮人が私に助け船を出してくれたことはすぐにわかった。

洗面室から両親がでると、蓮人は私を椅子に座らせて髪をとかしはじめる。

「絶対に無理しないこと。」
「はい」
「何かあったらすぐ俺に言うこと。」
「はい」
髪をとかすとドライヤーを用意する蓮人。
私は鏡越しに蓮人を見ながら大人しくする。

「一緒に行こうな」
「・・・」
「最後の大会」
鏡越しに向けられる蓮人の笑顔に、はなの奥がつんとなる。

この笑顔は私だけのものだと知りながら、喜びきれない心の奥からの警告音。

気づかない振りも、限界が来るかもしれないと思いながら私は思わず目をそらした。
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